派遣法と労働契約法

仕事術

労働者派遣法と労働契約法

「派遣法が変わる?」「労働契約法で契約社員が無期になる?」…2018年に働く私たちに何が起こるのでしょうか。アデコのキャリアコーチ「アデ子」さんが、派遣社員Aさん・Bさん、契約社員Cさん、それぞれの疑問にお答えします!

※労働者派遣法:以下、派遣法

派遣で働く私たち、どうなるの?

派遣法と労働契約法:キャリアコーチイメージ

●2018年は派遣法も労働契約法もターニングポイント!

アデ子さん働く私たちとかかわりのある法律が改正され、2018年から適用されることはご存じですか?

Aさん先日、同僚たちが交わしている話題に何か法律の話が出ていたのですが、私自身よくわからなくて……

Bさん2018年に何か変わるんですよね?
私たち派遣スタッフに関係するようなので、きちんと知りたいと思っていたところです。
詳しく教えていただけますか?

アデ子さんもちろんです。
職場でも話題に挙がっていたようですけど、テレビや新聞などのニュースで「派遣法の改正」や「無期雇用派遣」という言葉を聞いたことありませんか?

2012年に労働契約法が、2015年に派遣法がそれぞれ改正され、この2つにより2018年が有期雇用のあり方を大きく変える年になると考えられています。
そのため、雇用における「2018年問題」と呼ばれたりもしています。

●派遣労働に大きな影響を与える2018年

2012年 労働契約法改正 無期労働契約への転換ルールができる

2013年4月1日以後に開始する、同一の使用者との間での有期労働契約が、通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換する。

派遣法と労働契約法:労働契約法_無期転換申込み

契約期間が1年の反復更新の場合、2018年4月1日以後申し込み可能になります。

2015年 労働者派遣法改正 派遣期間の制限のルールが変わる

2015年10月1日以後に締結/更新された労働者派遣契約では、すべての業務に対して、派遣期間に「派遣先事業所単位」「派遣労働者個人単位」という2種類の制限が適用される。

派遣法と労働契約法:派遣法_期間制限

3年までとなった期間制限の最初の期限は、2018年9月末となります。

●派遣法の改正:3年ルールが適用されます!

〈派遣で働くAさんの場合〉

アデコの派遣で就業中の働くママ。2015年10月より就業開始。

派遣法と労働契約法:派遣法_1

アデ子さん詳しくお話しする前に、Aさんの経歴について振り返らせてください。

Aさん私は、2015年10月からアデコより派遣されて今の会社で働き続けています。
更新を繰り返しており、次更新すると2018年10月で3年を迎えるため契約期間が満了する予定です。
今の会社の環境が気に入っているので、できればこのまま働けるとうれしいんですけど。

アデ子さん今の会社がAさんに合っているようで良かったです。
Aさんのような派遣スタッフの方に関係するのが2015年に改正された派遣法です。
Aさんたちが安定して働けるように、またキャリアアップを図れるように改正されました。

Aさん「雇用の安定」ですか。
2018年に契約満了を迎えることを考えると、しっかりと聞いておきたいです。

アデ子さん今回の改正で、派遣会社には派遣スタッフのキャリアアップのサポートだけでなく、安定して働いていただくための取り組みも求められたのです。

具体的にAさんに置き換えてお話ししましょう。2018年9月に派遣契約を満了するAさんに対して、私たちアデコは、①「派遣先への直接雇用の依頼」、②「新たな派遣先の提供」、③「派遣元(アデコ)での無期雇用」、④「その他安定した雇用の継続を図るための措置」のいずれかの措置を講ずることになります。

Aさんたしかに、そのような措置でしたら、私たちも今までより安定した環境で働けそうですね。

私は、今までと同じように仕事と家庭の両立が最優先なので、時間管理のしっかりしている派遣スタッフという形で働きたいと考えています。
その場合はどのような選択肢があるのでしょうか?

派遣法と労働契約法:派遣法_2

アデ子さんその場合の選択肢として、②「新たな派遣先の提供」か③「派遣元での無期雇用」が考えられます。
②の「新たな派遣先の提供」ですが、Aさんは同一の組織単位に3年を超えて派遣することができないため、同じ会社であれば他部署で働いてスキルの幅を広げるという選択肢もありますし、違う会社で今までの経験を生かしてスキルアップするという選択肢もあります。

一方、③の「派遣元での無期雇用」であれば、期間制限はありませんので3年という期限もなく、同じ派遣先で働き続けることもできます。

また、アデコでは無期雇用の1つに『キャリアシード』というサービスも設けています。こちらは事務系のスペシャリストとして長期的にキャリアを作っていくことができるので、この切り替えをきっかけに検討していただくこともお勧めです。

Aさんありがとうございます、ぜひ検討したいと思います。

●派遣法・労働契約法の改正:3年ルールと5年ルールに注意!

〈派遣で働くBさんの場合〉

アデコの派遣で就業中。2013年4月1日より「専門26業務」として就業開始。2015年4月より「専門26業務」の廃止を受け、契約期間制限を受けることとなった。現在、3カ月更新。

Bさん2013年から働く私はどうなるのでしょうか?

アデ子さんBさんの場合はまず「労働契約法」を考えなくてはならないですね。
Bさんは初めは「専門26業務」として就業していたので、契約期間に制限はなかったところ、2015年の派遣法の改正を受けて、期間制限を受ける派遣契約になったんでしたね?

Bさんそうなんです。3カ月ごとの契約を更新してきて、2018年3月には丸5年経過することになります。

派遣法と労働契約法:派遣法&労働契約法

アデ子さんこのタイミングが一つの区切りになります。実はこのとき、次の契約をした段階でBさんは私たちアデコに無期雇用転換への申し込みをすることが可能になります。
もちろん、無期雇用転換を申し込まず、引き続きこれまで同様の有期雇用派遣という形で働いていただくこともBさんの自由です。

ただし、この場合に注意いただきたいのが、2018年9月の契約満了をもって、Aさんとお話ししていた派遣法3年の期限となりますので、あらためてご自身の方向性を再検討していただかないといけないということがあります。

Bさんありがとうございます。あらためて自分のやりたいことや、どのように成長したいのかを今のうちから考え始めて、2018年に備えるようにします。

「改正労働者派遣法」についてのポイントおさらい&注意点

  • 派遣先事業所単位の期間制限(原則3年)
  • 派遣労働者個人単位の期間制限(3年)

    ※以下の方は、例外として期間制限の対象外となります。

    派遣元で無期雇用されている派遣労働者、60歳以上の派遣労働者、終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合、日数限定業務(1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合、産前産後休業・育児休業・介護休業等を取得する労働者の代替要員を派遣する場合

  • 同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある方には、派遣終了後の雇用継続のために、派遣元から以下の措置が講じられます(1年以上3年未満の見込みの方については、努力義務となります)。①派遣先への直接雇用の依頼②新たな派遣先の提供③派遣元での無期雇用④その他安定した雇用の継続を図るための措置
    ※雇用安定措置として①を講じた場合で、直接雇用に至らなかった場合は、別途②〜④の措置を講じる必要があります。

注意点 雇用安定措置は派遣会社によって取り組みが異なる場合があります。詳細は就業している派遣会社へご確認ください。

厚生労働省HP:「改正労働者派遣法」の詳細はこちらをご覧ください

契約社員の私、5年を迎えたら正社員に…?

●労働契約法の改正:「無期=正社員」は早合点、企業にしっかり確認を!

〈契約社員で働くCさんの場合〉

現在、契約社員で勤務している(アデコから派遣で就業しているわけではない)。将来的なキャリアを考え、正社員としての勤務も検討している。

Cさん私は2013年4月から、今の会社と期間1年の契約を繰り返し更新してきて、2018年に5年を迎えます。
契約期間が通算5年を超えると、正社員になれると聞いたのですが、この契約が完了すると正社員採用されるのですか?

アデ子さん2012年の労働契約法の改正ですね、2点誤った認識です。

まず1点目は、正社員採用と考えていることです。
今回の法改正では、「正社員」への転換ではなく、「期間の定めのない無期労働契約」への転換を企業に求めることができるようになります。

Cさん期間の定めがないということは、正社員ということではないのですか?

派遣法と労働契約法:労働契約法_1

アデ子さんまず、「有期」と「無期」の違いを説明しますね。

「有期」とは、字の通り期間を設けて労働契約を結ぶ働き方をさします。
つまり有期契約労働者とは、1年や6カ月単位といった、有期での労働契約を締結、あるいは反復更新している方となり、「契約社員」、「派遣社員」、「パートタイマー」、「アルバイト」などの雇用形態が該当します。

一方の「無期」は、期間の定めがないということで、正社員のみではなく、無期契約社員などもこの無期労働契約に含まれます。
無期労働契約を結ぶと、契約期間の定めがなくなるため、働く方の雇止めへの不安は解消されますし、雇用の安定につながると考えられています。

Cさん1年ごとに契約を更新している今の私は有期契約労働者ということになりますね?

アデ子さんそうです。
その有期契約から無期契約へと転換を申し込むことができるようになったのが、この改正労働契約法のポイントです。

無期転換後の雇用区分については会社によって制度が異なり、正社員や無期契約社員、限定正社員という形などさまざまです。また、私たち派遣会社に採用される無期雇用派遣(キャリアシード)という働き方も無期雇用契約の1つです。

Cさん転換後の条件は、働いている会社に確認する必要があるということですね。

●無期雇用契約には労働者からの申し込みが必須

Cさん私の場合、次の契約のときには無期契約となるのでしょうか?

アデ子さんその点が先ほど申し上げた、2点目の認識違いです。

Cさんは、今、契約の5年目ということで、次の更新のときに新たな雇用形態へ転換できると考えておられるようですが、契約期間が1年のCさんの場合には正確には通算5年を超えた、6年目の契約中に無期転換の申し込みが可能になります。無期労働契約が開始するのは6年目を終えて7年目からということになります。

Cさんは問題ありませんが、改正法が施行された2013年4月1日以降に開始した有期労働契約からカウントされるという点も注意が必要です。

派遣法と労働契約法:労働契約法_契約期間の例

Cさんということは、自分がいつ契約を結んだのか、また契約期間が何年かなどを考慮に入れた上で、いつ申し込みできるようになるのかを探らないといけないですね。

アデ子さんその通りです。
利用するためのルールの話となりますが、この無期労働契約への転換は、働いている人、すなわちCさんが申し込むことによってはじめて転換されます。
自動的に転換されませんので、こちらも気をつけなければなりません。

●無期転換ルールの概要

  1. 同じ企業と契約している
  2. 有期労働契約が通算して5年を超えている
  3. 1回以上は契約を更新している
  4. 労働者から申し込みする

Cさん5年を超えないように、企業側が次の契約を更新しないということはありませんか?

アデ子さんその点はあまり心配しすぎないようにしましょう。

今回の労働契約法の改正の中には「『雇止め法理』の法定化」というルールも加えられており、Cさんのような働く人を保護するために、契約期間の満了により雇用が終了する「雇止め」を会社がむやみに行使できないようになっています。

また、正社員化などを行った会社にはキャリアアップ助成金が交付されるなど制度も整えられていますので、無期転換が広がっていくと考えられます。

Cさん安心しました。
さっそく今の会社がどのような労働条件なのか調べてみようと思います。

派遣法と労働契約法:労働契約法_2

「改正労働契約法」についてのポイントおさらい&注意点

  • 有期労働契約通算5年超で無期転換申込権が発生します。
  • 労働者からの申し込みが必要です。
  • 無期転換する際には、現在の労働契約と条件が異なる場合があるので注意しましょう。
  • 注意点 何事も事前に企業に確認を!
  • 「CAREER SEED」についての詳細はこちら

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