仕事術

“いい人”だからこそ気を付けて!“都合のいい人”脱却法

“いい人”と評価されることは素晴らしいことですね。しかし、“いい人”と評価されながらも、自覚がないまま“都合のいい人”になってしまっている人もいるようです。この“都合のいい人”とはどのような人なのでしょうか。いつの間にか“都合のいい人”になってしまっていませんか。そうならないための、“都合のいい人”脱却法をご紹介します。

“いい人”は“都合のいい人”の予備軍!?

自己アピール力:高×業務スキル:低=困ったちゃん 自己アピール力:低×業務スキル:低=発展途上人 自己アピール力:高×業務スキル:高=デキる人 自己アピール力:低×業務スキル:高=いい人→注意が必要!?

この図は、縦軸で自己アピール力、横軸で業務スキルを表しています。“発展途上人”は、新しい職場や部署に移ったばかりで、未熟ながらも、これから成長が期待できる人。業務スキルが高く、その能力を周囲にきちんとアピールできている人が“デキる人”です。一方で、業務スキルが低いにもかかわらず、自分の能力を過大評価して自己アピールするのが得意な人はいわゆる“困ったちゃん”になります。そして、高い業務スキルを持ちつつも、自己アピール力の低い人が“いい人”です。

一般的に日本人はこの“いい人”に当てはまる人が多いと言われています。“いい人”は仕事を真面目に取り組んでやり遂げるので、職場にとっては貴重な戦力となりますが、上司や同僚から仕事を頼まれやすく、任される仕事量が増えてしまう傾向があります。無理な仕事を依頼されても断われず、自分の意見を言えない状態が続くと、これは“いい人”ではなく“都合のいい人”になってしまいます。

ここがPOINT!

  • “いい人”は業務スキルが高く真面目です。仕事を頼まれやすく、仕事量が増える傾向があります。
  • “いい人”が無理な仕事を断われず、意見を言えない状態が続いていると、“都合のいい人”と認識されてしまいます。

“いい人”度が高いと“都合のいい人”になってしまう可能性が高い

“都合のいい人”になってしまう要因はいくつかあります。例えば、人間関係に敏感、人目を気にする、控えめタイプなどと言われますが、心当たりはありませんか。少しでも可能性があると感じる人は、自分が今どのような状態にあるのか、〈“いい人”度チェック〉で調べてみましょう。

〈“いい人”度チェック〉

当てはまる項目にチェックすると、チェック項目の数で自分の状態がわかります。

  • 人から嫌われたくない
  • 自己アピールが下手だと思う
  • 真面目で責任感が強い
  • 頼まれると、つい引き受けてしまう
  • 「親切」「優しい」と思われたい
  • 職場で対立したくない
  • 几帳面で、細かいことが気になる
  • 器用で多くのことを並行してこなせる
  • 悪者扱いされたくない
  • ついでに頼まれた仕事でも「NO」と言えない
  • 他人にどう思われているか気になる
  • 自分の意見を強く言えない
  • 「頑張っていれば、いつか自分にもチャンスが」と信じている

(注)このチェック項目は、“いい人”が知らず知らずのうちに“都合のいい人”になっていないかを判断するものです。
“発展途上人”または“困ったちゃん”に属する人のチェック数は下記の結果に当てはまりません。

  • 0〜5の人
    自分の価値をうまく発揮できている人です。職場の上司、同僚たちと良い関係を築けており、自分の意見を言うこともできています。
  • 6〜10の人
    典型的な“いい人”です。職場で納得できないことがあっても、妥協してしまうことが多いのではないでしょうか。ストレスを溜め過ぎないように気をつけましょう。
  • 11以上の人
    “都合のいい人”になっている可能性大です。他の人の仕事まで頼まれたり、誰も引き受けない嫌な仕事を押し付けられたり、他の人の言いなりになっているかもしれません。

もし、「○○さんは“都合のいい人”だ」という認識が職場全体に広がってしまうと、本来行うべき以外の仕事や専門外の仕事、皆が断る仕事ばかりが集まってきてしまいます。これらにストレスを感じる状況になると、「やりがいのない仕事しか回ってこない」「私は仕事をこなせない」などと思い込みが強くなり、セルフイメージを低くする要因となってしまいます。

セルフイメージが低くなると、不利な状況を自分で引き寄せてしまい、職場が変わってもまた、“都合のいい人”になってしまう恐れがあります。周囲からの評価も低くなり、より過剰なストレスが増えてしまうのです。

成果や強みを継続的にアピールして“デキる人”への道を開く

“都合のいい人”から脱却するために重要なのは、自分の成果をきちんとアピールすることです。アピールといっても大げさなものではなく、さりげなく行うもので十分です。

例えば、依頼された仕事が完了したときに、報告は毎回できているでしょうか。完了したという報告を行わないと、依頼者はその仕事が終わっているかどうか分からないばかりか、場合によっては確認の手間をかけてしまいます。一言メールを送ったり、付箋に書いて依頼者の机の上に貼るなど、報告することを心がけましょう。

仕事の経過報告や完了報告をこまめに行うことがアピールとなり、「確実に対応してくれる」という評価を得ることができます。この評価を積み重ねることで、「安心して業務を任せることができる」と認められるようになるでしょう。

また、仕事の進捗をその都度報告すると、対応している仕事数のアピールとなります。“都合のいい人”は黙って仕事をこなすため、依頼される仕事を大量に抱え込んでしまう傾向にありますが、アピールにより仕事数を周囲に認識され、先述の本来行うべき以外の仕事や専門外の仕事、皆が断る仕事が回避され、冒頭の図で示した“デキる人”の位置に進むための第一歩となります。自己アピールが“デキる人”への道を開いてくれるのです。

もうひとつ、“デキる人”になるためには、強みを継続的にアピールしていくことも重要です。多くの人は、派遣先の担当者との、最初に行われる業務確認時にしか自己アピールをしない傾向があります。しかし、日々いろいろな人と接する派遣先の担当者が、一人ひとりのアピール内容を覚えていることは困難です。ですから、日常業務の中で継続的に自信の強みをアピールすることが重要なのです。

エクセルが得意、タイピングが速い、電話応対の感じが良いといった業務スキルや、几帳面、対応が速い、行動力があるなどの性格的な長所も強みとなります。これらの強みを活かし、積極的にアピールすることで、本来自分が行うべき業務に集中して取り組み、効率よく業務を行っていきましょう。

ここがPOINT!

  • 仕事が完了したら、依頼者に必ず報告しましょう。
  • 得意技を持ち、継続的にアピールしていくことも大切です。

ネガティブ思考をポジティブ思考に変換し、セルフイメージを高めよう!

“都合のいい人”から脱却するためには、セルフイメージを高く持つように意識することも重要です。人は誰でも、頭の中で自分自身と対話をしていますが、「私が悪い」と自分自身にダメ出し繰り返していると、セルフイメージもどんどん低くなってしまいます。

では、セルフイメージを高めるにはどのようにしたら良いか、手軽に取り入れることができる方法をご紹介します。

  • 夜、寝る前にリラックスして、頭に浮かんだことをすべて書き出します。
    セルフイメージの低い人は、「今日の仕事のミスは自分の実力不足が原因だ」「成果が上がらなかったのは自分のせいだ」など、ネガティブな内容が多いものです。頭の中のイメージを書き出し可視化することで、自分の状況に気づくことができます。
  • ネガティブな文章をポジティブで建設的な内容に書き換えます。
    ①で書き出した内容に対して「今回のミスはタイミングに気をつければ次回は問題なくできる」「どのようにしたら成果を上げられるか、方法を考えよう」といった文章に書き換えます。ネガティブな文章をポジティブに書き換えて可視化することで、感情もポジティブに変換するのです。
  • 「明日はもっと成長できる」といったポジティブなイメージを抱いて眠ります。
    ネガティブな感情を抱いたまま眠ると、睡眠中に低いセルフイメージが定着してしまいます。職場で上手くコミュニケーションを取る姿や、得意技を駆使してはつらつと仕事をしている自分の姿をイメージして眠りにつきましょう。

このようなセルフカウンセリングを3週間ほど繰り返すと、変換する思考回路が定着し、紙に書き出さなくても、ポジティブ思考ができるようになります。例えば、今まで都合よく仕事を押し付けられていても、ポジティブ思考で自信がつくため、躊躇せず確認や質問ができ、仕事の効率も高まります。

ここがPOINT!

  • セルフイメージの低い人は、頭の中のネガティブな思考をすべて書き出し、可視化して認識しましょう。
  • ネガティブな思考を払拭し、ポジティブな思考が身に付くと、仕事の効率も高まります。

せっかく業務スキルも高く“いい人”である人が、“都合のいい人”に陥ってしまうのは非常にもったいないことです。自分が“都合のいい人”になってしまっているのでは、と不安に感じることがあれば、業務スキルのアピールと、高いセルフイメージを持つことで“都合のいい人”からの脱却が可能です。“都合のいい人”から脱却し、“いい人”はさらに“デキる人”として、派遣先での就業をより良いものにしていきましょう。

監修:キャサリン門田さん

profile
キャリア・イノベーション協会代表理事、経営コンサルタント、キャリアカウンセラー。本業である経営コンサルタント業務のかたわら、多くの人のお悩み相談に乗っている。心理学、経営戦略理論を駆使したアドバイスは、キャリア、お金、人間関係、恋愛・結婚・離婚、天職など幅広い分野をカバーする。個人セッションやセミナーには、リピーター多数。

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